オンライン販売で新常識を切り開く Canyon Bicycles

 2021/07/09(金) 11:12  
オンライン販売で新常識を切り開く Canyon Bicycles Photo by Viktor Bystrov

スタッフ・ブログに「進化した最新自転車事情」という記事を書いたのですが、その記事を書いた後に知った「Canyon Bicycles」という自転車メーカーのウェブサイトが大変素晴らしいので、ご紹介させてください。

まず、Canyon Bicycles というのは、ドイツに本社を置く会社です。
自転車を、世界中の購入者の自宅に直接届ける、というオンライン販売を展開しています。

今回自転車に興味が向くまで私自身あまり知らなかったのですが、一口に自転車といっても、スポーツバイクと呼ばれるものはとても奥が深く、また高級な世界なのです。はじめは信じられなかったのですが、自転車1台で200万円近いモデルも存在しています。

これまでも多くの企業がオンライン販売にチャレンジし、常識を覆してきました。このキャニオンもその内のひとつでしょう。

キャニオンは、10万円以上するものから100万円を超えるモデルまでをウェブサイトに掲載し、それを街中にある自転車店を通さずに、ダイレクトに消費者に販売するスタイルをとっています。

例えば、服を買うなら試着が当たり前で、オンライン上では、服に使われている布の風合いも分からないし、オンライン販売なんて成立するはずがない、と思われてきましたが、ZOZO の例を持ち出すまでもなく成功例の出現で、オンラインで服を買うことがそれほど珍しいことではなくなりました。

同様に、自転車なら自転車店で現物を見て、跨ってみなければ購入できない、と思うのが普通の考えでしょう。

ところが、キャニオンはこの普通の考えに依らず、見事にオンライン販売の手法を確立しているのです。
スポーツバイクの世界は、(私自身まだ語れるほど分かっていませんが、)当然ながら競技をするプロも存在しますし、愛好家は世界中に存在しています。

自転車を構成するパーツのグレードなんかを愛好家レベルで熟知しており、知らない人から見ればマニアックな世界です。

ご近所のスーパーに行くために使うようなママチャリであれば逆に難しかったかもしれませんが、ロードバイクとかMTB(マウンテンバイク)とか、そういった車種だからこそ成立しているのかもしれません。しかし実際これをオンラインだけで販売するとなると越えなければならない壁はたくさんあったはずです。

実際にキャニオンのサイトを閲覧してみると、『痒い所に手が届く』という感じで実によくできています。

例えば、注文すると、ドイツから自宅に自転車が直送される方式なのですが、届いた後に自分で組み立てる必要がある旨の記載があります。すると、「組み立て?そんなの素人に無理に決まっているじゃん!」という感情が湧いてきます。

これは、「組み立て」という言葉から、閲覧者がどの状態を連想しているかに依ります。
例えば自転車のチェーンを自分で取り付ける事を連想すれば、その場で終わりです。「出来ない!」という気持ちが購入する気持ちを上回るからです。

ところが、まず「簡単です」というメッセージを閲覧者に届けています。
言葉としてはシンプルですが、「どう簡単なのよ?本当なの?」という疑いと同時に期待の気持ちが交差してくるのです。

次に、キャニオンがオンラインで提供しているのは、実際に商品が届いてから自転車を組み立てる様子を動画で見せていることです。

動画で見せていること自体は今や普通ですが、動画の作りが素晴らしいのです。
出演者が決して頑張っている感はなく、むしろリラックスしてやっているにも関わらず、5分くらいで組み立てを完成させている様子を見せているので、閲覧者に「これなら出来そうだ」という気持ちにさせてしまうのです。

同時にこの動画では、注文したらどのような状態で届くのか、という購入者の不安を解消させる役目も果たしている点にも注目です。

それからキャニオンの自転車は単純にカッコいい!
そしてそのカッコ良さを魅力的に伝えている商品ページがまた素晴らしいのです。

この商品ページを見ていると、本当に細かな配慮を感じ、ウェブサイト制作者として「参考になるなぁ」という感じなのです。随所に購入者の不安に応えるコンテンツを配置しているのも秀逸です。

1枚1枚の画像についてもとても気を配ったセレクトをしているように感じます。
当然ながらプロが撮ったクオリティーの写真です。こういったウェブサイトを構成する全ての要素に気を配る、という感覚をぜひ皆様にも知っていただきたいと思います。

ひとりの消費者になった時、購入したいという気持ちになっているときには、案外商品そのものではなく、その商品の周りに張り巡らしてあるイメージ戦略にやられてしまっている、ということが多々あるのです。
つまりウェブサイトを構成するあらゆる要素は、そうしたイメージ戦略を考慮したものであるべきだと思うのです。

自転車に興味がある人もそうでない人も、ウェブサイトを運営する立場の方であれば、Canyon Bicycles サイトは間違いなくお手本になると思います。また多言語サイトとしても優秀です!

既存の自転車メーカーや街中の自転車店は、このキャニオンの存在は確実に脅威に感じているはずです。
プロも使うハイクオリティーな商品ラインナップと中間マージンを省いた割安感で攻めるキャニオン、購入後のメンテナンスの不安を今以上に取り除いたり、日本人にも合うサイズ展開を強化すれば、自転車界の Amazon 的な存在になる日もきっと近いことでしょう!

最終修正日 2021/07/09(金) 11:57
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