なぜウェブサイト担当者は間違いを犯すのか?

 2022/02/23(水) 10:14  

ウェブサイト制作を行う際、かならず最初に『どのようなウェブサイトにしたいのか』についてお尋ねします。この『どのような』と問われた際に、「見た目」を中心に話を始める方がおられます。それ自体は完全な間違いではないのですが、その視点から話をスタートするのは完全に間違っています。

私は常々世の中には実は正誤はなく、あるのは正誤を判断する「視点」だと考えています。それは、日本では「正しい」と半ば常識だと考えられていることが、海外では意外にも「正しい」ことではなかったりするからです(このエピソードについては後述

この、見た目からウェブサイト制作の話をスタートさせる『間違い』が起きる現場には、ある『共通点』が存在することに気がつきました(念のため付け加えますが、私が『間違い』と書いていることは、私の『とある視点から見ると』という注釈が付きます)

経営者の視点

直接、ビジネスオーナーとウェブサイト制作のお話をさせて頂く際には、この『間違い』は今のところ100%起きていません。なぜならビジネスオーナーは、経営的な視点で「ウェブサイトを通じて何を実現したいのか」を明確にお持ちであり、その目的を達成するための手段としてウェブサイトの利用を考えているので、自ずと「ゴール」と「ターゲット」という視点でお話をされるからです。

ところが、『ウェブサイト制作を任された担当者』の方とお話をさせて頂く場合、事情が異なってくることがあります。少なからず上記の『間違い』が登場してくるのです。

私なりにこの原因を考えてみると、「経営者目線の有無」に辿り着くような気がいたします。

経営者目線というのは、結局のところ「サービス提供を受けるお客様」がどう感じるのか、が全てであり、それをどれだけ想像して良いサービスが提供できたかが売上という数字で結果に現れてきます。ただ単に自分達が良いサービスと思うものを提供をしても結果にはつながらず、あくまでも『サービスを利用する方にとって良いサービスである』というところが肝心で、それを見い出しサービスに落とし込む事に苦労をするわけです。

また同業他社との「差別化」を検討することも必須であり、つまりは『ウェブサイト制作を考える』ということは『マーケティングを考える』ことと同義になってきます。

『間違い』が発生する要因とは?

本来、『ウェブサイト制作を任された担当者』も同じマーケティング目線を持たなくてはならないはずなのですが、サービスを利用するお客様に認めていただく、という視点ではなく、仕事を任せてくれた上司に視点が向いてしまうことが往々にしてあります。これはその担当者の話の中にその意図が見え隠れするので分かるのです。

その結果、この『間違い』が発生し始めるのだと想像しています。

- - 私が担当したことで「こんな素晴らしいウェブサイト」ができました!
もし(意識的か無意識的かに関わらず)こう言える事をゴールとするならば、最も早く成果を感じさせやすいのは「見た目」なので、どこかで見かけた素晴らしいデザインを題材に話を始めてしまうのは無理もありません(誤解が生じないように補足しますと、どこかで見かけた素晴らしいデザインの話自体が悪いのではありません)。

私は、この 4CREATOR JAPAN サイトを通じて、「ウェブサイトにおけるデザイン」とは、繰り返し「見た目(外観)」もさることながら「ユーザビリティー」が大切である旨(自戒の意味も含め)述べてきました。しかし往々にしてここの共通項を醸成することができないまま話が進んでいくことがあり、この辺りは自分自身の「打ち合わせスキルの低さ」だと認識し、今後改善すべきテーマだと感じております。

かく言う私自身も実際は『ウェブサイト制作を任された担当者』と似た立場でもあります。
ご依頼頂くクライアント様に驚きを与える「見た目」を頑張った方が「一瞬の評価」は高まりやすくなるので、『ウェブサイト制作を任された担当者』のお気持ちもよく分かるつもりです。

しかし私は起業家であり、当然ながら「経営者目線」の視点を持って物事を判断しなくてはならない立場であると自覚しております。「一瞬の評価」は甘い蜜ですが、そこを目指せば本質を見失う可能性があります。

ウェブサイトは公開してからがスタートであり、日々更新を重ね成長をさせていくもの、という視点も忘れてはなりません。

ウェブサイト制作をスタートする際の本質とは何か?

それをお伝えするために、本サイトの「特色」メニューで最初に掲げたのが「マーケティング思考で創るホームページ」です。このページで述べている以下3点は、やはりウェブサイト制作から『間違い』を減らすための重要な視点であり、本質だと確信しております。

  • ターゲットの明確化
  • ホームページの役割とゴールを定義
  • ゴールと閲覧者目線から導くウェブサイト設計

仕事の本質を見極める・・・これはなかなか難しいテーマではありますが、意識して損はないはずです。

ウェブサイトのお手本:Apple

Apple

Apple は、商品の革新性で世の中を驚かせる企業であり、その商品を紹介するWEBページにもいつも驚かされます。『ウェブサイト制作を任された担当者』が追いがちな「見た目」が存分に入っていますが、Apple サイトの素晴らしいのはそのバランスです。

Apple サイトは、「広告的要素が強いページ」と、「情報性の高いページ」では明確に表現手法を変えていることにお気づきでしょうか?

広告的要素が強いページとは、各商品の「概要」ページです。
この概要ページでは、動きの多い「印象」を意識した派手な演出がなされています。つまり「見た目」や「インパクト」重視の広告的な作りとなっているのです。しかし、「〇〇を選ぶ理由」や「仕様」といった情報性の高いページに入った途端、その動きの多い派手な演出は止まります。

Apple サイトのトップページについてもその視点で眺めてみて下さい。
綺麗な商品画像が並ぶだけで、動きの多い派手な演出はありません。ここでは『ユーザが目的の商品を見つけ、すぐにその商品概要に遷移させること』が目的だから、ではないでしょうか。

各商品カテゴリ(Mac、iPad 等のトップページ)も同様です。目的はあくまで閲覧者を目的のページへ誘導することに絞られたシンプルな作りとなっています。

会員サイトにランディングページの手法は要らない

もし貴方が手がけるウェブサイトが「会員サイト」であるならば、会員となった方が頻繁に訪れるサイトであってほしいはずです。頻繁に訪れるようになった会員がよく閲覧するページに、もし Apple の商品概要ページのような派手な演出がなされていたとしたらどうでしょうか?

間違いなく会員に「ウザい」と感じさせてしまいます。

頻繁に訪れるであろうページは、Apple サイトで言うところの「仕様」ページのように派手な演出は要りませんし、あってはならないのです。

このように、サイト全体に対して「ゴール」と「ターゲット」という視点で検討するのと同様、各ページについてもその視点で検討を重ねていくことが重要です。

特に、特定ページへの遷移が求められる場合には、極力ページ内の情報量を減らしてリンクを見つけやすくするシンプルさと、「ユーザビリティー」を意識することも忘れてはなりません。

あなたが今考えているWebページは、1回だけ閲覧されれば目的を達成するランディングページですか、それとも何度も閲覧してもらう可能性の高いページですか?

謝らない文化があるなんて! 〜日本の常識は世界の常識ではない〜

つい先日、中国の文化に触れ驚いたことがあります。
日本では「お客さまは神様でございます」と三波春夫さんがキャッチフレーズのように言っていたことが災いしたのか、まるでDNAレベルで「お金を払う客がサービスを提供する人間より上である」ということを前提に振る舞う方が(残念ながら)多く居られます。その結果なのか、日本ではサービス提供者が「申し訳ありません」という言葉を割と挨拶のような気軽さで使い、「角が立たない」物言いが美徳と言わんばかりです。

これは批判ではなく、和を尊ぶ日本人が創り上げてきた文化のひとつであり、コミュニケーション術だと思います。日本人であり日本に住む私自身、これを「当たり前」のような感覚で捉えておりました。しかしこれを前提としていると、日本から外に出た瞬間にストレスの嵐となります。

私は仕事柄、毎日のように海外の開発デベロッパーらとメッセージを取り交わすのですが、どの国の方であっても、「申し訳ありません」という意味合いの言葉を気軽に使いません。約束の期日に仕事が間に合わなかった場合であっても、結構な確率で彼らは謝りのフレーズを入れてこないことに最初はただただ驚き、そしてストレスを感じていました。

この極め付けが中国です。
中国人は文化レベルで「謝らない」ということを学ぶまで本当に腹が立ちました。

最近のプライベートなエピソードをひとつご紹介しましょう。
とある商品を AliExpress でネット注文をしたのですが、通常は遅くとも3日以内に発送されるにも関わらず、数日経過しても発送の形跡がありません。不思議に思いチェックしてみると、春節(旧正月)の存在がありました。注文したストアでは何のインフォメーションも出しておらず、ただ休みに入ってしまったのです。

しかし、私が注文を出したのは春節前です。
長期休暇に入るのは構いませんが、何の断りもなしに勝手に1週間以上も発送を遅らせるなんて!と当然のように感じていました。

「Please check my order and ship it early.(早く発送してよ)」とメッセージを送ったら、春節が終わる頃にたった一言、「ok」だけの返信がきました。この瞬間「ブチっ」と怒りの動線に火が着きました。

なぜ「お待たせして申し訳ありません」とかないわけ・・・?
こっちはアンタの長期休みなんか関係ないやん!100歩譲っても、春節前に注文入れてるし!

このような感情、日本人であればご理解頂けるのではないでしょうか。
春節が過ぎた後、ようやく商品が発送されたのですが、やはり事情説明や謝罪は一切ありません。クレームを出すも、結局最後まで彼らは「申し訳ありません」の一言を発することはありませんでした。

「中国人 謝らない」でググってみると、実に興味深い記事がたくさん出てきます。
それらを読んで知ったのですが、中国では、「謝る」ということは、「賠償責任が伴う」という事とイコールでとても重たい事であり、その賠償責任から逃れるために言い訳を続けるのだ、という主旨の記事を読みました。

例えば、会社で社員がミスをした場合、日本であれば上司にお詫びするのが当たり前ですが、中国ではミスを認めず言い訳に終始して逃れようとするそうです。もしミスを認めて謝罪をするようなことになれば、責任を負わされて会社をクビになる可能性がある、だから決して謝らない、ということらしいのです。

日本ではあり得ない笑い話のようですが、彼らの謝らない背景を少し理解できた瞬間、少しだけ同情したい気分になりました。と同時に、表面的に謝る日本人の言動について少し考えさせられました。余談ですが、数秒電車が遅れただけでお詫びのアナウンスを入れる日本は、世界の視点からはやはり異常なのかもしれません。

とにかく謝ることに関して、日本と中国とでは対極の文化を持っている、ということを互いに理解をし合えると、もっと仲が良くなるのではと頭では理解しました。
しかし、なかなか感情では追いついていきませんね(笑)。

エピローグ

このブログの冒頭で、「私は常々世の中には実は正誤はなく、あるのはそれを判断する「視点」だ」と述べました。中国の例は極端だとしても、やはりトコロ変われば視点が変わり、正誤は変化します。

ウェブサイト制作を考える際、何を大切に考えるかは人それぞれかとは思いますが、4CREATOR JAPAN としましては、ビジネス的要素があるウェブサイトであるならば、やはり「ターゲット」と「ゴール」から導き出すマーケティング的な視点から検討すべきと考えており、その視点から眺めれば、ウェブサイトの「見た目」を中心に話を始めるのは『間違い』だとなります。加えて、ウェブデザインとは、「見た目」だけでなく「ユーザビリティ」も含まれる、という考えに立って仕事をしております。

このような視点に共感を頂けましたら、ぜひウェブサイト制作のご相談をお寄せ下さい。きっと想像以上の良い結果が待っていることでしょう!

最終修正日 2022/02/23(水) 13:05
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