ウェブサイト制作を外部に委託する際の必須知識 注目

 2016/04/04(月) 10:57  

一口に「ウェブサイト制作」と言いますが、その中身を精査すると、とても多くの要素があることが分かります。
ウェブサイトという媒体が登場したばかりの頃はテキストだけでしたが、 (ご存知の通り)今やイラストや図、写真といった画像データはもちろん、動画もページ内に配置できます。またウェブサイトのデザイン(主に見た目)を司る CSS は、一般閲覧者側からは直接認識されるものではありませんが、 ウェブサイトで使われるフォントや色、レイアウト(配置)などを決定付ける重要な役割を担っています。

加えて、本サイトで時折登場する「レスポンシブ・ウェブデザイン」を実現させているのも CSS です。ウェブサイトの根幹を成す HTML だけでもある程度のデザインは出来ますが、それだけですと今や『古めかしさ』が出てしまいます。CSS を使うと、きめ細やかなデザイン・コントロールが可能となるので、昨今のウェブデザインでは欠かせません。

HTML と CSS があれば「静的なウェブサイト」を作ることが出来るのですが、昨今当たり前に目にしているウェブサイトの多くは JavaScript をはじめとする種々のプログラムが介在していることがほとんどです。このプログラムが加わることで「動的なウェブサイト」にシフトしていきます。

4CREATOR JAPAN は、Joomla! という CMS をベースとしたウェブサイト制作を行っていますが、Joomla! では PHP という言語で作られるプログラムとデータベースが連動することにより、より多彩な「動的ウェブサイト」を実現させているわけです。

ウェブサイト制作を依頼されるクライアント様は、こうした技術的なことについては必ずしも知っておかなければならないということではありません。むしろご存知ないからこそ我々ウェブサイト制作者が存在する理由となります。しかし、技術的なことは知らずとも、「知らなかった」では済まされないことがあります。

それが今回のブログ記事のテーマ、「著作権」です。

ウェブサイト制作を外部に委託する際の必須知識

ウェブサイト制作を外部に委託する、と決めた瞬間から、この「著作権」についてしっかりと把握しておく必要があります。交通ルールを知らなければ車を運転できないのと同じくらい『重要』且つ『当たり前』の話となります。

実は、本ブログで「著作権」をテーマとするのはこれが初めてではありません。2013年2月20日付のブログ記事で「ウェブサイトと著作権」と題したものがありますので、まだご覧になっていない方はぜひお読みください。

また当サイトのリンク集には「ナレッジベース」というカテゴリがあり、そちらから関連外部サイトへアクセスすることも可能となっておりますので、ぜひご利用ください。

ウェブサイトは誰のものか?

ウェブサイト制作を依頼し、制作費の支払いも完了し、晴れてウェブサイトが公開されました。
ウェブサイトのタイトル(ロゴ)は、依頼されたクライアント様の会社、またはサービスのものとなっています。また各コンテンツもクライアント様のご要望に応じて最適化されたものとなっています。もちろん、堂々と自社サイトです、と名刺に URL を記載することだって出来ます。

しかし「著作権」に馴染みのないクライアント様が最初に陥る間違いがあります。それは、ウェブサイトは自分達の「モノ」だと認識してしまうことなのです。
通常、私たちがスーパーや量販店で買い物をする場合は、対価を支払った時点でその商品の所有権が購入者に移り、所有者は自分のモノとしてそれを利用することができますし、掃除機の色が気に入らないからといって色をつけても誰からも怒られません(家族を除く・笑)。しかし、ウェブサイトはその考え方とは異なる「著作物」なのです。

たとえウェブサイト制作に対する対価の支払いが完了した後であっても、法律上、(別途契約がない限り)著作権(財産権)はクライアント様側には移りません
つまり通常の工業製品の感覚でいうところの「自分のモノ」にはならないのです。この点をしっかり理解しておかないと、後々思わぬトラブルに発展してしまう元となってしまいます。「知らない」ことが原因で、あなた自身もそしてウェブサイト制作者側にとっても『トラブル解決のための時間を浪費する』ことになってしまいます。

法律というものは「知らなかった」では済まされません。
知らなかったことで相手に迷惑をかければ、その迷惑をかけた分だけ(又は、時間を浪費させた分だけ)余計な対価(賠償金)を支払うことになってしまいますし、今までの良好な関係が崩れる元になってしまいますから、もし「著作権」について知らないな、という方は、このブログ記事を機にしっかりと学んでおくことをお勧めいたします。

物事で「おかしい」と思う時、往々として「自分の視点」だけで考えてしまっていたり、過去の自分の経験だけで判断してしまっている場合があります。しかし、相手がある場合、相手の立場になって考えると理解できることがあります。法律は個々の事情を鑑み、そうしたトラブルを防ぐためにあるとも言えますので、法を学ぶことで「別の視点」を得るということは大切な事だと言えるのかもしれません。

よくやってしまう間違い

ウェブサイトが完成し、公開したばかりの頃は誰もそのウェブサイトの存在を知りません。
昨今では Facebook や Twitter といった SNS があるおかげで、以前よりも格段に早いスピードで告知する手段ができました。しかし適切な方法で告知しなくては問題を引き起こします。

ここで一昔前に戻って考えてみましょう。
今のように気軽に情報発信できる SNS という手段がもしなかったら、告知はどういう手段を経ていたでしょうか?

かつてはバナー広告というものが主流だった時代がありましたね。
この場合、バナーが必要となりますから、当然『バナーを制作する』必要が出てきます。多くのウェブサイト制作会社はバナー制作を請け負ってくれますから、通常はウェブサイト制作をしてくれた会社に依頼します。当然ながらバナー制作費が発生します。

もう少し時代を前にすると、ポスティングダイレクトメールという手段が主流でした。
この場合、『チラシを制作する』必要が出てきます。もしチラシの中にウェブサイトと同じ画像を使用したければ、その旨を制作者に伝えます。すると制作者は、チラシ用に新たな画像の加工や出力を行うことでしょう。

一般的にウェブサイトで画像を掲載する場合に必要とされる解像度のまま印刷媒体に使ってしまうと、必要な解像度を満たしていませんので、オリジナルデータから印刷に適した解像度で出力し直す必要があるのです(ウェブサイトを基準にすると印刷に必要な解像度は約5倍です)。

このように、一昔前なら告知をするためには「新たな制作」が必要であることは、クライアント様側の常識でしたし、そこに対価が発生することに疑問はありませんでした。
ところが昨今見られる傾向というのは、ウェブサイトに掲載されている画像はタダという感覚です。外部サイトの画像をコピーして無断使用すれば著作権に抵触するということは、さすがに著作権を知らないという人もなんとなく理解しているようですが、自分達が依頼し制作してもらったウェブサイトとなると無断使用という感覚がないのです。

簡単にコピーできるから簡単に使って良い、というものではありません!

例えば、ウェブサイトのある部分をスクリーンショットを撮って、別メディアに掲載する。これは立派な著作権違反、犯罪です。なぜならば、前述したように自分たちのウェブサイトであっても著作権はクライアント様側にはないからです。また一口に「著作権」と言ってもその内容は細部に分かれます(参考:文化庁「著作者の権利の内容について」)。

このスクリーンショットを撮る行為は、著作権の「複製権(21条)」に抵触すると思われます。
またその撮ったスクリーンショットを使って SNS 等に画像を掲載する行為は、著作権の「公衆送信権等(23条)」に抵触する可能性が大でしょう。また著作権には「人格権」というものがありますが、その中の「同一性保持権(20条)」の侵害についても問われる可能性があります。

但し、これを回避する方法があります。それは「引用」という利用方法です(他にも教育目的の場合など種々の要件があります)。 この引用に該当する利用方法に関しては、著作者への承諾は必要がないとされています(参考:文化庁「著作物が自由に使える場合」)。

ですから、たとえ自分達のウェブサイトだとしても、著作権を保持していない場合は、告知目的等の理由如何を問わず、スクリーンショットを撮って他のメディアに掲載することはできないのです(このメディアには、自社で配布する資料など紙媒体も含まれます)。

ウェブサイトのコンテンツを利用したい場合は?

ウェブサイトの画像を他の媒体で使いたい、ということは往々にしてあるケースです。しかし、ウェブサイトの画像を他のメディアでそのまま使えるか、という点は著作権上の問題を置いておいても解像度や画像周りの要素(色バランス)、サイズなど種々検討すべきことがあります。

どの分野でも共通なことですが、何事にも知識や経験は必要です。それを重視しないとすれば、プロとして失格でしょう。
告知も大切ですが、告知を通じて伝わるイメージも大切です。

ブランディングが出来ている会社は、すべての要素に大変気を配っていますし、どのメディアを通してもイメージがブレないようにしています。ですから、スクリーンショットを使って SNS で告知、という発想すらないのが通常です。

SNS で告知をするならば、そのメディアの特性を検討して告知方法を最適化する手法、他のコンテンツとの連動性、期待するユーザ・アクションをどう起こさせるか、等々の戦略をまず検討してから始めるべきでしょう。そしてその戦略に沿った画像選択、といった流れとなるはずですし、告知後の効果を計測する手段もあらかじめ検討しておくはずです。

ウェブサイト内のコンテンツを使いたい場合は、やはりプロである制作者にまずは相談するのが良いでしょう。
プロであれば、自分のテリトリーについては分かっていますし、不得意な分野で仕事を受けたりしません。もし、相談内容が印刷物を作るという話で、ウェブサイト制作者の業務内容にその項目がなければ、おそらく印刷に適した画像出力のみを行い、データとして渡すといったサポートとなることでしょう。又は、印刷業務そのものを外部に手配してくれるかもしれません。事案やその他の要素によっては有料となるでしょうが、少なくとも最初の相談自体は無料対応が多いのではないでしょうか。だとすれば、聞かずに間違いを犯すよりも、相談してみない手はありません。

正しい知識と正しいコミュニケーション
ビジネスを成長させていく上で欠かせない要素ではないでしょうか。

最終修正日 2016/04/05(火) 13:17
初めてのご利用ですか? ご登録はこちら!

ログイン