CMS: Joomla! によるウェブサイト制作(ホームページ制作)

Facebook への画像アップロードに潜む危険

 2016年02月03日(水)  

SNS の代表格「Facebook」。
日常的に使っている、またはお友達の投稿を楽しんでいる、という方はかなり多いのではないでしょうか。

なにせ Facebook 利用者は世界で優に10億人を越え、ここ日本でも 2014年11月時点で 2,400万人が登録、内、月に1回以上アクセスしているアクティブ率は50%以上と言われていますので、単純に 1,200万人の純利用者がいることになります。それゆえ、色々な意味で影響力があるわけです。

そんな影響力のある Facebook ですが、先日あたらめて利用規約を眺めてみたところ愕然とすることが書かれていました(以下、Facebook 利用規約ページからの引用)。

写真、動画などの知的所有権の対象となるコンテンツ(以下「IPコンテンツ」という)に関して、利用者はプライバシー設定とアプリケーション設定の適用範囲で、Facebookに、利用者がFacebookに投稿する、またはFacebookに関連するあらゆるIPコンテンツを使用する非専属的、譲渡可能、再許諾権付き、かつ無償の世界的使用許諾(以下「IPライセンス」という)の権限を付与するものとします。このIPライセンスは、コンテンツが他の人と共有され、その人がそのコンテンツを削除していない場合を除き、利用者がIPコンテンツまたはアカウントを削除したときに失効します。

これが問題の箇所です。
何が問題かをすぐに理解できる方は、著作権についてある程度知識がある方だと思いますが、これを私流に意訳しますと「写真とか動画とかアップできるけど、アップしたコンテンツの著作権は Facebook のものになるからね。だからアップされたものは、みんな誰でも自由に使っていいぜ!」ということになります。

これは裏返せば、画像等をアップする人がその著作権を保有していることが前提にあります(ま、これは当然な話ですが)。

この事実を一体どれだけの方が理解して使っているでのでしょうか。
もしかすると、私流の意訳を読んでも、まだその問題性にピンと来ていない方がおられるかもしれませんので、例え話をご覧下さい。

スクリーンショット

○○会社のウェブサイト担当者となった田中さん。
ウェブサイトの情報を広く世間に認知してもらい、我が社の製品をもっと多くの方に使ってもらいたいと意気込んでいます。

昨今、Twitter や Facebook をうまく活用して成功している会社事例を耳にし、早速田中さんも自社サイトの情報を積極的に SNS に掲載していこうと考えました。そこで我が社イチオシの新製品「△△」の紹介ページへSNS利用者を誘導すべく、紹介文を新たに作成し、ページへのURLも掲載する計画でした。

お昼休み、同僚で友人でもある鈴木さんとランチをしていた時にそのことを話題にすると、鈴木さんからこう言われます。
「それだったらさぁ、先日写真家の加藤さんに撮ってもらった写真も一緒に掲載したほうがいいんじゃない。だってあの写真、新製品の魅力を伝えるのに手っ取り早いじゃん!」
「え?でも僕の手元には写真データはないんだよ。だからアップできないじゃん?」
「バカだな、お前。ホームページの製品紹介ページをスクリーンショット撮ったら画像データなんて簡単にできるじゃん!」

ウェブサイト担当者でもない鈴木がそんなこと言うなよ、と田中さんは内心ムッとしたものの、いいアイディアを頂いた、と喜んでもいたのでした。

確かな手応え

午後になって、早速田中さんは自社ウェブサイトのスクリーンショットを撮り、Facebook にアップしました。製品写真のみならず、製品紹介文も一緒に画像化できたので、田中さんには好都合に思えました。

すると、さすが Facebook。5分もしないうちに「いいね!」が入り、どんどん情報が拡散されていきます。思いの外、新製品への関心は高く、シェアをしてくれる人も現れ始めました。

翌日、Facebook 利用者からメッセージが入りました。
「とても素晴らしい製品ですね!僕のブログの記事ネタに使わせていただきました。」

早速田中さんはその方のブログを見てみました。
Facebook にアップしたスクリーンショットの画像付きで製品のウワサをしてくれていました。

「やった!」

田中さんは、SNS の利用とはこういうものか!と実感したのでした。

しかし、数日経って田中さんは窮地に立たされます。
写真家の加藤さんがすごい剣幕で電話してきたのです。

予期せぬ反応

「田中さん、ヒドいじゃないですか!なんで私が提供した写真が見ず知らずの人のブログ記事に載っているんですか!!」
「あ、いえ・・。加藤さんに撮っていただいた写真は我が社の新製品を紹介するのに大変優れたものとして大変評価させていただいておりまして・・」
「な、何を言っているんだ、君はっ!写真を提供したときの契約を忘れたのか〜?!」

田中さんは「はっ!」としました。
実はこんな経緯があったのです。

利用許諾契約

ウェブサイト担当として田中さんは、ウェブサイトを作るためにウェブサイト制作会社と打ち合わせをしました。打ち合わせの中で、やはり製品情報ページには製品写真が必要であると言われ、自社で用意して制作会社に提供する、ということになったのですが、その時点ではまだ写真素材がありませんでした。正確にいえば、ウェブサイトの打ち合わせをしている時点ではまだ新製品は掲載予定があるだけで、製品そのものは完成していなかったのです。

そこで、掲載ページだけを用意してもらい、ウェブサイト公開の前までには写真を提供する、ということになったのです。

製品が完成し、いよいよ写真が撮れる、という段階になって田中さんは焦りました。
写真のために予算を残しておくべきところを、ウェブサイトの打ち合わせでつい気が大きくなってしまって、ウェブサイト仕様を拡大してしまい、ウェブサイトの方にお金を回し過ぎてしまっていたのです。ただでさえ、今回の予算は低いというのに、これは大きな失敗でした。

田中さんはいつも写真をお願いしている加藤さんに正直に打ち明けました。
すると加藤さんはこう言ってくれたのです。

「仕方ないなぁ。事情はわかりました・・。ま、いつも御社にはお世話になっていますからね・・。じゃあ、今回は例外ということでやりましょう。
いつもは写真を買い取っていただいているんですが、今回は価格を抑える代わりに、御社のウェブサイト掲載に限った『利用許諾契約』ということでお願いできますか。」
「あ、ありがとうございますー!」
「お分かりだとは思いますが、後日写真を別の用途に使う場合は、別途契約をお願いしますね。
あ、それと今回分も含めて契約書はきちんと作ってくださいね。」

著作権は譲渡されていない

・・・加藤さんに平謝りをして、ようやく電話を切った途端、今度はウェブサイト制作会社から電話が入りました。

「田中さん、困りますよ〜。スクリーンショットでウェブサイトの画像を Facebook に掲載したでしょ?
御社のウェブサイトの著作権は御社に譲渡する契約になっていませんから、田中さんは著作権を侵害しているんですよ」

(え?著作権のシ・ン・ガ・イ!?)

「どういうことですか?」
「やだなぁ、田中さん。ウェブサイト担当者だと仰っていたから、ご存知だとばかり思っていたのに・・。」

よく分からないままに、とにかく侵害という言葉を使われてしまった田中さんはまたも平謝り。とりあえず電話を切って、ホッとした瞬間、ふと疑問に思いました。

(あれ?ウチがウェブサイト制作会社に依頼して作ってもらって支払いも済んでいるのに、なんでスクリーンショットで画像をアップしただけで怒られるんだ?
支払いが終わったということは、あのウェブサイトはウチのものだよな。ウェブサイト会社の担当者、ボケたのかな?)

知らなかったでは済まされない著作権

田中さんは、会社の法務を担当している渡辺さんに相談してみました。

「田中さん、何言っているんですか!ウェブサイト担当者なら著作権の勉強をしないとダメですよ!そんなことでは近い将来訴訟が起きて、最悪の場合、損害賠償を支払わされるハメになりますよ。」

(え、え〜〜!そんなオーバーな!)


以上で例え話は終わりです(分かりやすく書こうとしたら、すっかり長くなってしまいました・汗)。

上記のような事例になった際、著作権がクリアになっていない画像・コンテンツをアップしてしまった場合、第三者である Facebook 利用者はその画像・コンテンツを自由に使える前提となっているわけなので、彼らは著作権を気にすることなくそれらを流用できてしまいます(補足:Facebook の画像オプションにはご丁寧にも「ダウンロード」というメニューがあります)。すると、結果としては著作権侵害の状態が拡散されてしまう、という自体を招く恐れがあるのです。それが、私の言う Facebook の利用規約の怖さなのです。

もし著作権者が訴えて、それが裁判所で認められた場合、自分が犯した最初の間違いの分はもちろん、Facebook を経由して起きた第三者が拡散した分まで損害を求められる可能性は大だと思います(個人的な見解)。アップした画像が Facebook で人気になればなるほど、そのリスクが高まる・・考えるだけでゾっとする利用規約なのです。

デジタル時代の昨今、著作権がないがしろにされる傾向にありますが、法律である以上、『みんながやっているから OK』では済まされません。

デジタルの覇者 Google は時折訴訟を起こされていますが、著作権の視点から見ると、時にとても黒に近いグレーなビジネスを展開していることがあります。実際、ネットニュースで知るところによると、デジタルの覇者達は(著作権の問題に限りませんが)訴訟をし合って多額の損害賠償を支払っていますね。

ウェブサイトを持っておられる皆さん、著作権の知識は大丈夫ですか?
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最終修正日 2016年04月05日(火)
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