CMS: Joomla! によるウェブサイト制作(ホームページ制作)

本って売れることが最優先事項なの?

 2011年05月23日(月)  

本

今日のブログは、一見ウェブサイト制作には関係ない(しかし実は大いに関係している!)事がテーマです。

実は昨日、とある出版系セミナーに参加して、妙な違和感を覚えて帰ってきました。昨晩はその「違和感」の理由を見いだせずに床に付いたのですが、朝起きて「あぁ、そうか!」と気づいたのです。そして、自分の中にあるクリエイター魂と言いますか、職人気質の部分に改めて気づかされたのです。

そしてこう思いました「本質を見失った出版社はいらない」と・・。

個人的な話で恐縮ですが、これまで僕の人生の中で「音楽」や「書籍」、「映画」はいつも共にある友人のような存在でした。特に音楽は、元々それで身を立てたいと思っていましたから、今でもかなりのウェイトを占めていますし、書籍は人生の中で起こる様々な事に対処する術を授けてくれる大切なツールという側面がありました。また人としての成長にも本は欠かせないアイテムだと感じています。

映画は単純に娯楽として楽しむ事も勿論ありますが、やはりアレは「総合芸術」だと思います。僕は写真を撮る事も好きなので、良いカメラワークの映像を見るとワクワクしてしまいます。背後にある創り手の「想い」「情熱」を感じる瞬間が好きです。

「音楽」「書籍」「映画」が工業製品と違う最大の要素は「時代を超えるチカラ」だと個人的には考えています。


本物は時代を超える

70年代に創られたモノが、最近創られたCDと同じ扱いで商品棚に並ぶ、そんな事は家電品のような工業製品にはあり得ません。70年代に作られたモノが今なお生命力を持ち、人々の心に訴えるチカラを持っている・・・つまり「音楽」「書籍」「映画」というのは、やはり文化であり、ただの商品/製品ではないのです。

ただの製品ではないので、これらは大変難しいのです。
何が難しいのかというと、文化の商品化という段階で生まれる「葛藤」が常につきまとうからです。クリエイターが作品に想いを込めていくほど、商品性を失い、市場では受け入れられなくなっていくことが多いのです。
クリエイターを支える周りの人間達は「売れなくては意味がない」と論法を打ち立てクリエイターを追い立てます。すると、それに屈するクリエイターが出てきて、本来持っていた魅力を失ってしまう・・・そんな事はよくある話です。いわば「水と油」の世界なので、バランスをとるのが難しいのです。

このバランスをどこかに見いだそうとしている内は良いのですが、世の中が不景気になると市場原理を優先させている人達が幅を利かせていきます。すると「負の連鎖」が始まるのです。

「こうすれば売れる」的な法則を探し始め、短期的に売れる事に特化し、本来「時代を超えるチカラ」であるはずの商品が、ただの「消費される商品」へ変わっていきます。愛聴盤とか愛読書と呼ばれるものが人々の生活から消えていきます。音楽や本が大好きな自分にとってはコレは一大事なのです。

最近、聴きたい音楽、思わず買いたくなる本が減ってきている理由がここにある、そんな事に改めて気づきました。


顧客をダマすような創りは止めてくれ

例えば、本。
僕の価値観からすると、最も大切なのは読者であるはずです。読者は、言い替えればその商品を手にして頂く「顧客」です。市場原理からの発想で表現すれば「顧客満足の最大化」を図ることが求められます。では本の場合「顧客満足の最大化」とは何かと考えると、それは本を購入した人が本によって心を動かされ「愛読書」として大切にしたくなる想いを持つ事ではないかと思います。

最近、Amazon で色々買い物することが多いのですが、あの「レビュー」機能は面白いですね。あれを読めば、ある程度の「顧客満足の指標」になるのではないでしょうか。

いわゆるベストセラーと呼ばれている本は「売れた」からいいのでしょうか。
あの少ない星☆の数を見ていると、あぁ、君たちは「騙された」と思っているのですね、と同情してしまいます。悪い表現をすれば詐欺にあって「バカヤロー」と言っている被害者の様にも見えるときがあります。

一回失った信頼を回復するのは大変です。
その本によって、出版社のブランド価値は確実に下がっています。


「本質を追求する事」と「売れる事」を両立させることは可能

少し長くなりますが、僕の主張している事が決して「理想論」でない事をお伝えしなくてはなりません。

Pink Floyd(ピンク・フロイド)というバンドをご存知でしょうか?
1960年代から活動をはじめたバンドですが、1973年に発表された「The Dark Side of the Moon」というアルバムは全米チャートに570週もランク・インをし続けたというモンスター・アルバムです。中身はコアな音楽ファンも納得する素晴らしい内容で、本当にマニアックです(オンエアで流すことが難しい5分を超える曲が平気で収録されています)。そしてこのアルバムは約40年を経た今なおリマスターされ再発、そして売れ続けています。

「本質を追求する事」と「売れる事」は両立することをピンク・フロイドは証明しています。

はっきり言いましょう。
「プロデュース力のなさを別のいい訳で誤摩化すことをお止めなさい」
その道を志した時の気持ちに背を向けて生きていませんか?プロとはこういうものだ、と自分を言い聞かせる「言い訳」で自分を納得させ、創りたいものを創らず、お金にコントロールされていませんか?

僕はクリエイターです。
「本質とは何か」を見失わないよう、そして真の「顧客満足とは何か?」を常に考え、今後も活動を続けていこうと思います(イバラの道ですけどね/笑)。

「青臭いですか?」


上記動画は、DVD「Pulse」に収録されています。これまた全てがマニアックなクリエイター心満載の創りでニヤっとしてしまいます。

あとがき:
僕は20代だった頃、本当に多くの本に助けられてきました。
今回出席させていただいたセミナーは、僕がこれまで買った多くの本を手がけた出版社(編集者)の話が聞けるという事で伺いました。いいな、と思う本はよくその出版社から出ていたので、いわばファンだったのでしょう。

ですからファンとして失望したと同時に「応援したい」と気持ちがこのブログを書かせた気がします。愛情のある批判として想いが伝われば、幸いです。

最終修正日 2015年06月05日(金)
大島 英人

4CREATOR JAPAN 代表/米国法人 4CREATOR, LLC 代表(Operating Manager)

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