Joomla 3.x のサポート終了日は 2023年8月17日とアナウンスされ、今年は、私達 4CREATOR JAPAN もその対応に追われた感があります。
幸い全てのクライアント様にご理解を賜り、Joomla 4 化を達成できたことは喜ばしく、皆様には改めて感謝申し上げます。
しかし、世界を見渡してみますと、実は Joomla 4 への移行は意外なほど進んでいないようです。当コラムで度々登場します W3Tech の情報によりますと、このコラムを執筆している2023年8月3日現在の Joomla 4 利用率は、なんと全体の 0.2%、ほとんど移行ができていないのが現状のようです。
この現状を前に、さすがに Joomla! 開発チームは方針を変えざるを得なくなったのかもしれません。
Joomla 3.x のサポートは延長に
Joomla! 公式サイトに掲載された記事によりますと、どうやら 2023年8月17日 で Joomla 3 のサポートが終了する、という方針は撤回されたようですが、その理由として以下を挙げています(意訳)。
- Joomla 4 対応が間に合わなかったエクステンションやテンプレートがある
- パンデミック(コロナ)の影響
- 業績の悪化により Joomla 4 への移行のための予算確保が難しかった
- 一部業界ではパンデミックが追い風となり受注増加への対応に忙しくなった
- Joomla 3.x への初期投資が回収されていない場合、Joomla 4 への移行費用が捻出されにくい
一見もっともらしい分析に見えますが、私の視点では、Joomla 4 への移行が技術的に難しいことが最大要因ではないかと思います。
特に Joomla 4 への対応がないエクステンションがサイト内にあった場合、その代替を行うのは容易ではないはずです。とりわけデータベースに多くの情報を蓄えるタイプのエクステンションの場合、これが顕著であるように思います(その代表格は K2 でしょう)。
有料アップデータ
元々のサポート終了日であった 2023年8月17日以降のサポートは、特別なプログラムでの対応となるようです。
上記ライセンス料を支払うことで、セキュリティ・アップデートパッケージの提供を受けられるプログラムで、これは Joomla 開発チームではなくサードパーティベンダーから提供されるものとなっています。
このプログラム自体は公式なものではありますが、サードパーティベンダーから有償提供されるものであり、いくつかの制約があります。あくまで経過措置であり、新機能は追加されません。また将来的な PHP アップデートにも対応しない可能性があります。
Joomla 4 への移行が間に合わなかったサイトはこのプログラムを利用すべきでしょう。しかしながら、やはり早期に Joomla 4 への移行をすべきであることには変わりはありません。長期的な視点(将来性)で判断するようにして下さい。