据え置かれた価格
気づけば、4CREATOR JAPAN を立ち上げた2009年から早16年が経ちました(*ウェブサイト制作実務経験は18年以上となります)。
この間、私達は制作の品質向上や運営改善を優先し、料金改定についてはずっと後回しになっていました。一般的な制作会社であれば珍しい姿勢かもしれませんが、私達にとっては「目の前のクライアント様の課題に向き合うこと」が常に最優先事項でした。
しかし、時代と技術の変化によって、当時からの料金体系では実態との乖離が著しくなってきました。
2026年からは新価格体系の下でウェブサイト制作を行いますが、その背景と考え方をここに記しておきたいと思います。
『スマホ登場』以前の価格設定
ウェブサイト制作費を算出する際には時間単価が大きなファクターとなりますが、当初から2025年まで維持してきた単価は、今では当然のレスポンシブウェブデザインが一般化する以前に設定されたものです。
当時は、パソコンでホームページを閲覧することが前提であり、画面設計も簡素でした。
しかし現在のサイト制作環境はまったく異なります。
Joomla! という CMS(コンテンツ・マネージメント・システム)が私達のウェブサイト制作のベースとなり、マルチデバイス対応はもちろん、管理画面の最適化、SEO要件の考慮、複雑化したUI、エクステンションの多様化など、制作工程は格段に複雑化しています。さらに、会員区分によるアクセス制御や、様々な自動化処理など、設計段階で考えるべき要素は数年前とは比較にならない多さです。
私達のモノサシで価値を創る
私は一般的なウェブサイト制作会社に勤務した経験はなく、いわゆる『業界の標準』というものを認識・体感したことがありません。独学で HTML、CSS、そして Joomla! を学び、また海外デベロッパーとコミュニケーションを通じて徐々に技術力を高めてきました。そのため、私達が語れるのは「この業界ではこうするもの」という一般論ではなく、「私達はどう考え、どう価値を提供してきたか」という一点のみなのです。
1. ウェブサイトは『作って終わり』ではない
サイト公開後の運用・改善まで見据えて構築することが私達のやり方であり、そのためには初期設計(プランニング)が非常に重要だと考えています。特に、会員管理におけるアクセス制御、自動化、ユーザビリティなどは、サイト運営の成功可否を大きく左右します。
私達は「制作のためではなく、サイト運営を支えるための Joomla!」という観点で Joomla! の特性を活かしたサイト設計を行っており、この姿勢は創業以来一貫しています。
2. 時間単価は「スキル+判断+責任」の総量で決まる
ウェブサイト制作というものは、単なる作業に留まるものではありません。適切な判断が求められる場面が多く存在します。
エクステンションの選定と設定、各種エクステンションとの連携、サイト登録ユーザとの紐付け、アクセス権コントロール等々、種々の要素を熟知した上で、それらをサイト仕様としてどのように設計していくか、どうすれば長期的に安定したサイト運営につながるか、といった要素を考慮しなくてはなりません。
これらは単純な作業時間では測れない領域であり、「価値」となって現れます。
便宜上、時間単価を利用して積算するのですが、その積算額は生み出した価値と釣り合っていなくてはなりません。
3. 長期で関わってくださるクライアント様には誠実に還元したい
今回の新料金体系では既存クライアント様を優遇し、初回案件にはトライアル価格を設けました。
これは「長く関係を築いてくださった方を大切にしたい」という、ごく自然な考え方からです。また、私達に興味を示していただいた方には安心してお試しいただければ、と考えております。
プランニング費用を見直した理由
プランニング費用は、当初は15万円ほど、最近では30〜40万円というケースが増えてきましたが、このプランニングは実際の「サイトの成功」を決める重要なものです。設計段階で会員システムやイベント管理、アクセス権限、ワークフロー、自動化、将来の拡張性まで見通した計画が行われていなければ、サイト内の動線を適正に作れませんし、長期に渡るサイト運営に耐えることができません。そのため、2026年以降は、これまで以上にプランニングの重要性を踏まえた『適正な費用設定』を行ってまいります。
制作経験が浅い方の場合、見た目の良さに重きを置きすぎてしまうことがありますが、見栄えの良い住宅と住みやすい住宅が違うように、経年変化を予期していない設計では、将来の状況変化に対応できなくなります。
プランニングは『付随作業』ではなく、ウェブサイト制作の『中核』なのです。そこで私達はプランニング費の存在を今回の新料金体系で明確に表示することにしました。このプランニング費は、サイトの規模や機能の複雑性等の要素により変動します。
2026年の料金体系刷新について
今回の料金改定は「値上げ」ではなく「体系の整理」であり、適正価格と考えております。
新規・既存・初回・スポットという区分を明確にし、それぞれの性質に見合った価格設定にしました。これは提供価値の透明化であり、クライアント様にとっても私達にとっても、長期的に無理のない形を整えるための取り組みです。
また、これからも責任を持ってクライアント様と向き合い、安定した品質でサービスを提供し続けるための前向きな決断でもあります。
初期の Joomla! から携わってきた、知識と実務経験を背景にした『自信の表れ』と受け取っていただいても構いません。
AI の進化や Joomla! の発展に伴い、制作の可能性はますます広がっています。
私達自身も学び続けながら、これからの 4CREATOR JAPAN をより良い形に育てていきたいと考えています。